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<書評・雑誌レビュー>コロナ禍でこの先の人生をもう一度考えたいあなたへ!雑誌【Pen】特別編集 「自分らしく、生きるってこと。BacktoHumanity」

 


■<書評・レビュー>[

雑誌Pen 特別編集]

感性を大切にする時代のライフスタイル考

「自分らしく、生きるってこと。Back to Humanity


 


■人間らしさを見つめる、これからのクリエイティブ


新型コロナウィルスによって世の中があまりにも激しく移り変わりすぎている。自分を見失うこともあるかもしれない。こんな時代だからこそ、大切なのは変わらない自分の信念。そこに“人間らしさ“という根源的なエッセンスを携え、人間に寄り添う人たちが、いっぱいいる。

そこでPenではこんな文頭から始まる「humanity」に関する特集を組んでいた。

「ちょっと大げさかもしれませんが、人間回帰することで日々が深く豊かになることってあるはず。正解のない時代だからこそ、自分らしく、毎日を楽しまなくちゃ」

「自分らしさを見つめるこれからのクリエイティブ」と題し様々な分野で活躍するクリエイターたちを紹介しています。

 

 


■造園家グリーンディレクター 斉藤太一


ランドスケープやインドアグリーンのデザインを行うDAISIZENの代表を務める。「SOLSO」などのファームショップの運営も手がけ、第一線で活躍するグリーンアーティストである。

 

緑と言うものがなぜこんなにも心地が良いものなのか。ホモサピエンスが進化の過程でずっと残してきた遺伝子が、そう思われてるのかもしれない。心地よさ、それはつまり、何かしらの欲求が満たされた状態である。斉藤氏の中ではただ自分の本能の赴くままに活動したその結果が、形として現れたに過ぎないのかもしれない。

 

「建築と自然の融合」を志す、と言い切り、「アーバンガーデニング」というコンセプトを掲げ、都心の中の緑を人と寄り添う形で共有共存させる。「都市の生態系を創り出したい。」

観賞するアーバンガーデニング、から

体感するアーバンファーミング、そして

食べるアーバンアグリカルチャー、へ。

緑、植物との携わり方は多岐に渡り、農園や室内植物工場で野菜やハーブの生産もしている。

※文写真は文中内容とは一切関係ありません。

 

「TOKYO  MIDORI  LABO.」という研究所もオープン予定と、活躍のフィールドは大きくなるばかりだ。斉藤氏のビジョンは草木のように根をはやし、枝葉を張り、どんどん大きく育っている。見据える先には無限の大草原が広がっている。

 

 

 


■ReBuildingCenterJapan代表 東野唯史・東野華南子


長野県諏訪市にRebuilding Center Japan設立。解体現場からレスキューした古材や古道具を販売する東野さん夫妻。「アメリカポートランドにあるリビルディングセンターに行く機会がありそこで感銘を受けたんです。こういう空気感持った古材屋が日本にあったらすごくいいなと。」と、人と共に歴史を歩んだ戸や建具ガラス板、使い込まれた工具まで、あらゆるモノたちを倉庫へと持ち帰り、蘇らせている。

 

一度テレビで見たことがあります。解体現場で、通常の解体よりも莫大な費用がかかるのに床板を1枚1枚はがし、そして床の間の柱を抜き取り、年季の入った自然木の梁なども持ち帰る。

日本には独特な、アニミズム的な、モノへの信仰心、モノへの愛着心、モノへ畏怖の念を抱く、という文化がある。今の消費社会とは全く違う。貧しかったということもあるかもしれない。

でも、ものを大事にするという心は、人と人とのつながりを大事にする、というところに帰着する。「このお茶碗を作ってくれた人への感謝」「この急須を作ってくれた人に感謝」「この床の間の柱を削ってくれた人への感謝」「この家を建ててくれた人への感謝」そういうものが根底に流れている。

昔のものは全て人の手で作られた。機械が作ったものではない。職人たちの手はささくれ、荒れて、武骨かもしれない。でもそれは、一生懸命に他の人の為に尽くした証明だ。使ってくれる人のために良いものを作り出したいという気持ちの結果だ。そんな手が作り出したものたちを粗末に扱うわけにはいかない。

東野夫妻の心の中にもそんな想いが流れているのだと思う。きっと長野県諏訪市の会社は「ひとの営み」が溢れ出る場所なんだろう。

 

※文写真は文中内容とは一切関係ありません。


■生活と営みと行動と。「朝ご飯を食べること」。「人生を歩むこと」。「思考の中で遊ぶこと」。


まとめ。

自分の中の人間性をのぞき込んでみた。「結構臭い」そんな感じがした。泥臭い、生臭い、そして人間臭い。この臭さは誰もが持ち合わせているもの。臭いものに蓋をするか、対峙するか。人間の強さなのか、弱さなのか。怖いもの見たさ、臭いも嗅ぎたさ。案外冒険家かもしれないし、臆病かもしれない。いろいろな面を見せるのが人間だ。「ステレオタイプ」にくくられたくない。そう思っている人たちが今回の「クリエイター」たちなのだと思う。

生活と営みと行動と。

生活は日常だ。普通に「朝ご飯を食べること」。

営みはもがきながら「人生を歩むこと」。

行動は思考の結果だ。つまり「思考の中で遊ぶこと」。

すべてに深い意味を感じながら、向き合っている。そんな人たちだ。

 

感化された。刺激を受けた。だからこう書き留めている。自分も変態といわれるくらい何かにこだわって、人々に寄り添いながら、ちょっと驚かすようなことをしてみよう。