沖縄の今を紹介!

Okinawa-Foodlab

2021年2月。今現在の国際通りはどうなっているのか。緊急事態宣言下、沖縄一の観光スポットを玄人目線で探検旅してみた。

 


■沖縄の観光産業は壊滅的


沖縄の観光産業に携わる方々は今本当にひどく苦しんでいます。私が住む恩納村界隈は観光客ターゲットの居酒屋が多く軒を連ねている場所。去年2020年春4月5月、緊急事態宣言を受けて、ほぼ全店一旦休業。そして7月の3連休で営業を再開しましたが、8月沖縄独自の緊急事態宣言が出され、またまた休業。そして、そのままずっとお店を開かず休業状態というところがほぼ多数を占めています。

雇用調整助成金、それから、持続化給付金など、県・政府からの助成金の活用し、何とか、なんとか、食いつないでいると思いますが 、運営会社も、働いている人も、相当しんどい状態だと思います。私も飲食業に携わる身、他人事ではなく、今、なんとか糊口を舐めながら、耐え忍んでいます。

沖縄県庁のデータによると、沖縄県内で観光業に従事する人は12.5千人、就業者数の18.9%(2018年度)。これはホテルなどの宿泊施設、レンタカー会社などの直接的な雇用のみなので、お土産屋さん、観光客相手の飲食店居酒屋などの雇用は含まれていません。あるデータでは24%程度という数字も。沖縄県内の就労者の4人に1人が、何かしら観光に携わる仕事をしているのです。この人たちの雇用を守り、会社を継続させていく。経営者の方々の心中お察しします。撤退。継続。全てが選択肢に上がっているはず。何が正しいのかもわからない。でも今、一番の答えを見つけて、頑張っていただきたい。。。

国際通り


■沖縄県内でも攻めているところは攻めている。


しかし、攻めているところは攻めています。恩納村に初めてセブンイレブンができます。明明後日2月25日ニューオープン。場所は西海岸のリゾートホテルが立ち並ぶ、前兼久。沖縄観光発展の礎的存在「ホテルムーンビーチ」があるエリアです。

出店の場所は去年11月まで「あんとん」というアグーしゃぶしゃぶのお店があったところ。知り合いの方がやっていたお店なので、前を通るたびに いつ営業再開するのだろうと、気をもんでいましたが去年11月急に取り壊し。1週間程度で更地になりました。とても悲しかったというのを覚えています。

「何が次できるのだろう?」「当分空き地かな?」なんて思っていたら、今年1月半ばくらいから、建物の建設が始まりました。セブンイレブンです。「すごいなあ」「今年の夏を見込んでいるのかなあ」なんて思いながら、毎日通勤の車の中で思ってます。

また、イオンモール沖縄ライカム店内にも九州博多ラーメンで有名な「一幸舎」が初のつけ麺業態「写楽」を2月4日にオープンさせました。緊急事態宣言下での新規出店はこれまた「すごいなあ」と感嘆してしまいます。

 

 


■沖縄一の観光スポット「国際通り」の現状は?


久しぶりに国際通りに行ってきました。ここ最近、沖縄県は新型コロナ感染者が10人台に落ち着き、独自の緊急事態宣言も2月いっぱいで解除される見通し。とは言っても、急に観光客が増えるわけでもありません。国際通りは、まず地元沖縄人は行きません。「駐車場がないから」。「高いから」。お客さんのほぼ100%観光客です。

では、

・今年の夏の観光客需要はどうなのか?

・今、「攻め」なのか「守り」なのか、それとも「撤退」なのか。

沖縄経済のバロメーターである「国際通り」で思索に耽りながら、リアルな沖縄経済を肌で感じてきました。

 


■国際通りの家賃相場。坪10万円!!


前の日に賃貸物件サイトを見て国際通りに空き物件がどれだかあるのか調べてみました。相当空き店舗が出ていました。およそ6〜10店舗。一見少ないように見えますが、2019年、コロナ前では、「国際通りで空き物件なんか出ない。出ても横の繋がりで決まっちゃって、表になんか出てこないよ」というのが不動産屋の常套句でした。

それが「表(ネット)」に出てきてるし、しかも10店舗!!。これは考えられない事態なんです。

 

家賃相場は少し、下がってきているか現状維持です。その代わり、礼金をとっていたところが礼金ナシ。手数料減額。といった感じで、若干割安感はありました。2年前2019年、真剣に国際通りで出店物件探しをしていた時、内地の企業を仲介にしているテナントは坪10万つけていたところがありました。10坪の極小物件でも家賃月額100万円です。これは東京のちょっとした所と同じ。横浜で坪10万なんて言ったら、横浜駅の超一等地です。私の実家横横浜の鶴見駅は坪2〜3万円が相場です。首都圏よりも高い!2019年当時はインバウンド観光絶頂期で、完全にバブルだったようです。

 


■国際通りの商圏は6つ。5店舗以上出店しているお店も。


国際通りは、1本の道ですが、商圏、マーケットは3つ分かれていると言われています。

国際通りを端から端まで歩くと、「さっきも同じお店あったよね?」なんて、同じ店舗が何店舗もある光景をよく目にします。

さらに、国際通りに、垂直に交わる、「市場通り」「むつみ橋通り」「平和通り」といった

通りもあり、全てで商圏が異なっています。例えば紅芋タルトで有名な「御菓子御殿」。正確には 、国際通り周辺に4店舗、5店舗くらいあります。

今は再建築中ですが、「牧志公設市場」はまさに「市場通り」の中間にあります。そしてさらにその周辺には縦横の道に、かわいらしい飲食店、お土産屋さん、セレクトショップが店を構えているのです。国際通り周辺でお店を出そうとすると、あえて隠れ家的な立地を選び、こういった「小道(スージ)」に出店するということも考えられます。

 


■国際通り近辺の駐車場は高い!周辺駐車場の整備を行えば、より利便性はアップするはず。


国際通りに行くときは、駐車場はいくつか決まっています。お安く停めていられるところ笑。3時間で500円とか。奥まったところにはちょっと安いコインパーキングがいくつかあります。国際通り直近のコインパーキングは20分200円なんてところがザラにあります。上手に探していきましょう。私は美栄橋駅近くDNAHA提携の駐車場によく停めます。DNAHAに入っている本屋ジュンク堂で本を購入すれば2時間無料券がもらえるので。ほんも買いたいなんて時は、必ずここを利用します。DNAHAからすぐ近くにあるので調べて行ってみてくださいね。

 

■国際通りが、まるで地方の「シャッター商店街」

沖映通りから、国際通りへ向かいます。

交差点には「ドンキホーテ」。いっときは中国人だらけで、めちゃくちゃ賑わっていましたが、今は、ごくごく少ない国内の観光客がいるだけです。

 

まずは、県庁方面へ向かって歩いてみましょう。

ほぼシャッターが閉まってます。「休業中」の案内が貼ってあります。中には去年の10月から臨時休店なんていうお店も。

 

歩いている人はまばらです。観光客らしき人たちはごくわずか。それはそうです。首都圏、関西圏からの渡航は自粛要請中なのですから。

 

それでも何店舗かは、一生懸命営業してました。時間は13時過ぎくらい。でも飲食店にお客さんは一人もいませんでした。お土産屋さんも店頭からしか観てませんが、物色しているような人はゼロ。ただみんな、表通りを歩いていると言った感じ。


■工事中、国際通りで新規出店しそうなお店も。


それでも希望の光は差してました。かっこいいファサードのお店が1店舗。外装工事を行っていました。オリジナルデザインのちょっとお高い、アクセサリー系を扱うといった感じのデザインです。また、業種は不明ですが、トラックを停め、内装の工事をしているところも2つばかり。まさに「攻め」の人たち。素晴らしい!

 

何店舗か広さも、家賃も、まあまあな物件がありました。

この日はちょっと時間が足りなかったので、来週、もう一度、時間を作って、内覧でも申し込もうと思っています。

でも中にはちょっとおかしいくらいの礼金を取るテナントが。礼金150万円。これは今の商習慣には全くそぐわない。強欲大家さん。家賃は40万円。今から、4、5ヶ月分の家賃、つまり夏くらいまでどうせ店子は決まらないから、その分礼金でせしめようということなのでしょう。ちょっとズルい感じですねえ。こういうところとは正直お付き合いはしたくありません。


■2021年夏。沖縄観光業界はどうなっているのか?観光客は戻るのか?新型コロナは収まるのか?


 

竹中平蔵氏がドワンゴ学園の高校生向けオンライン授業で行っていたようです。

「コロナ後は、変革、変化が加速する」「デジタル時代がどんどん促進される」と。

裏返してみれば、まずは「変化のスピード」に必死についていく。そして「変化の行き先」を絶対見誤ってはいけないということ。

一番大事なのは「潮目の変わる」タイミングを感知すること。

今が、変わりどきなのか。先走りすぎていないか。先手を打ちすぎているのか。まだまだ様子見でいいのか。出遅れはしないか。

 

「タイミング」「チャンス」は有限の資源である。

 

よくよく肝に銘じる言葉の1つです。

ジュンク堂で色々な本を物色してから、帰路につきました。2時間たっぷり国際通りを散策。色々考えました。色々悩みました。

帰りの車の中、なんとなくぼんやりと、思考の世界へ。タイミングを見定めよう。そして決断しよう。お腹すいたなあ。思考はあらゆるところに飛び、脳内はカオスと化しながら、

ゆっくりと過ぎる車窓を眺め、家路につきました。